House in Shunko <winter version>
2012

この建築は北海道旭川市に建つ将来家族が増える可能性のある家族4人のための木造2階建ての住宅である。敷地は2階建て、3階建ての住宅が建ち並ぶ住宅街に位置している

クライアントの要望、敷地の状況から「それぞれの個室を確保し、家族の気配を感じる事のできる家」「近隣建物からのプライバシーを確保し、明るく開放的な家」という事が求められた。

そこでまず寝室などの各個室は、プライバシー確保を考慮して、最低限必要な開口を設けた閉じた空間とし、共有部分であるリビング・フリースペースの廻りに配置。家族が集まったり、離れたりするような構成とした。

また、近隣建物からの視線を遮る為に囲われた外部空間を点在させ、その囲われた外部空間を介して外部と積極的に接する場所を設置。近隣建物からのプライバシーを確保しつつ、明るさと開放性を確保した。

住宅内部では、2階の床レベルを一部下げて1〜2階の間に多様な繋がりをもたらし、そこに階段を渡す事で、家の中での動線が楽しいものとなるよう考えた。
床レベルを一部下げたことでできた隙間・吹抜・内部開口を介して、家族の気配を感じる事のできるような関係性をつくりだした。

家族の様子が見えたり、見えなかったり、声が聞こえたり、個室にこもったり、階段ホールのような場所が子供の遊び場になったり、大きな開口から光が入り込む場所でくつろいだりと、住宅内部に多様な繋がり、多様な居場所がある事で、子供の成長の変化、家族関係の微妙な変化に伴って、それぞれの家族がその時々に自分の居場所を見つけて生活していく事を意図した住宅である。



所在地 :北海道旭川市
主要用途:専用住宅
竣工年月:2012年12月
敷地面積:285.17 m2
建築面積:105.85 m2 (車庫含む)
延床面積:167.75 m2 (車庫含む)
構  造:木造 2階建
工事種別:新築工事
施  工:株式会社橋本川島コーポレーション
撮  影:酒井広司